【知事会から提案&首相も検討指示】前編:9月入学はありか?なしか?【いや、手段と目的が対応してねー】
今回はこの話。
個人的には
「ないわー」
です。
いや、
「やめてー。死んじゃうー」
の方が正しいかもしれません笑
以前、小池・吉村両知事をマンセーする記事を書きましたが、この件はちょっと良く分からないし、そもそも”すり替え”というのが率直な感想。
○過去記事
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
”すり替え”というのは、”9月入学”の話の本来の目的は全然別にあるからです。
で、この話に苦境にある安倍さんがのっかってきたと。
文科省は最初「ないわー」と一蹴でしたね。個人的にはその判断は分かります。
ですが、前回の全国休校を見ても、どーも首相の中で、教育関連に関しては”世論にアピールする領域”という風に私には見えています。
しかもです。世論においても、ものすごく大きなことから微に入り細に入り影響が出ることなのに、なんか勢いに任せて議論が進んでいる気がしてなりません。
橋本さんなんか、“決めてから走るんだよ!”と言っていますが、この件に関しては正直それは怖い!
ってことで、この件に関して少し考えてみたいと思います。
ではいってみましょー。
“9月入学制”の議論は35年以上継続!
まずは、これです。これだけグダグダやっている訳ですね。
「この期にやらないとできっこない!」と言われるのも頷けます。
一方で、「それだけ課題が多い」という意見も、当然ある訳ですね。
まずは、前編では私が思いつく範囲で“9月入学”のメリットを見ていきましょう。
メリット
本来の“9月入学”の目的はこれです。
「グローバル化に合わせ、国際標準に合わせる」
私のようなパンピーには、ちょっとイメージが湧きにくいですね・・・。
少し想像力を働かせてみましょう。
→が考えられるメリット/⇒が私見です。
海外からの学生の編入を受け入れやすくなる
→単純に考えれば、学年が揃う訳ですので、単位の関係が分かりやすくなるとは思います。
⇒海外の教育と日本の教育で、全然違うと思うので、これによってどれだけスムーズになるのか、素人には良く分かりません。編入してきた段階での日本における単位取得を認めてしまえばよいのでは、と思います。
日本から海外への編入や留学がしやすくなる
→これは分かり易いですね。9月入学なら、7月で単位認定がなされ、夏休み中に諸々準備を整えて、海外へ渡ることができるようになります。
留学という形でも、年間単位で考えやすくなり、単位認定に関してもスムーズに行くと思います。
単位認定の懸念で、海外留学に二の足を踏んでいた生徒さんも、憂いなく海外へ飛び出していけるようになると思います。
⇒どこまでこのニーズが強いのか?望む声は確実にあるとは思いますが。
個人的には単位認定を柔軟にすればいいのでは、と思います。
必要性のある生徒さんが、個人の都合で授業を履修して、単位を取得すると。
もう、授業動画でいいんじゃないですか?
動画を見て、レポートなりテストを実施して単認定をする、と。
通信は普通にやってますけどねー。
仕組み的にも、制度的にもできない道理がないと思います。
懸念は、“親御さんの急な海外勤務で、準備時間がとれないケース”が発生することですね。
これは会社が6ヶ月前や1年前からしっかりと通知をする、というようなルールを法制化するしかないんじゃないかと。
豆知識
皆さんご存知かどうか分かりませんが、大学では“飛び級”はけっこー普通にあります。
私の通っていた大学だと、成績上位○%に対して、“飛び級”の打診があります。
するかしないかは生徒次第ですね。
“貴重な学生時代を短くしたくない”という人もいます。
実際に私の大学の後輩も、その選択をしました
・・・私ですか?私はそもそも飛び級を打診された事ありません!!笑
しかしですね、優秀で先に先に進みたい生徒さんは、どんどん高度な教育を与えてあげるべきだと思います。
これは大学よりも小・中・高の方がより必要性があると思います。
“出来過ぎて、不登校になる”という生徒さん、いますよ?
全体を“こう!”って決めるんじゃなくて、“こういう選択もできますよ”という方が、ニーズに応じた対応ができると思うんですがね。
※年金は“75歳からの受給”の選択肢が検討されているのに、こういった部分は議論にならないんですね苦笑
企業が国内の学生と優秀な海外からの学生を天秤にかけながら採用することができる
→経団連が“9月入学賛成”の意を表明していました。
企業が現状やっている秋採用は、4-5月がメイン採用であり、秋採用は、4-5月の補填や海外からの優秀人材を狙ったものとなります。
ただ、現状だと、どうしても“宝探し感”が強いでしょう。
なので、基本は4-5月の段階だけで、必要な人員を確保しようというのが本音だと思います。
9月入学になれば、夏休みである7-8月に採用活動が実施でき、海外の生徒さんも国内に戻り、採用試験を受けることができます。
企業も、国内外で二つに分けていた採用を一本化でき、優秀人材を採用するチャンスが拡大します。
時期のズレによる就活のしにくさから、海外企業へ優秀な人材が流れてしまう、というリスクを減らすことができる訳ですね。
⇒理屈は分かります。分かるんですが。
まず、こういうハイレベルな議論の対象になるのは、日本企業のほんの一握りですよね。
確かに大企業の雇用数を見ると、“事業者数だけ見て語るな”と言われるかもしれませんが、製造業がかなりの雇用数を抱えている筈で、それは別に超優秀層を必要としている訳ではないと思うんですね。
次に、就活しやすくなったからといって、海外へ留学していた“海外志向”の人材が、敢えて日本企業を選択しますかね?
そもそも“海外で働きたい”という志向があるから、日本を飛びだしたのでは?
さらにこういう人と相性が悪いなーと思うのが、“日本企業的な体質”ですよね。
やっぱり大企業だからこそ旧来の会社運営から一気にシフトチェンジはできていないんですよねー。
“年功序列”的な風潮はまだまだ残っていますし、“育休”等の制度はあっても、取るとなると“出世はあきらめろ”と言われたりするようですから。
GAFA等のITや投資銀行、コンサル、ファンドといった会社なんかを選ぶ人が多いと思うんですが、超優秀層は“日本企業はちょっと・・・”と思っているような気がします。
やっぱ収入の差も大きいですし。1000ぐらいだと、選択肢に入らないんじゃないかな。課長以上になれば会社により1500~2000以上も見え始めると思うんですが、ポストが全然空いてないそーなんですよねー。
大企業も大変だー(棒)
○ーエン△なんかの年収だと“安定+そこそこの稼ぎ”ということで、選択肢に入るかもししれません。
でも、あそこ、がっちがちですからね。KPI管理がパないそうですし、おすし。
やっぱり、海外に飛び出す人って“既成の枠が息苦しい”って人が多いと思うんですよね。
やっぱり相性が悪いんじゃないですかね?
それだったら、プライベートエクイティファンドみたいな感じで、“MBO案件でがっつり個人資産もつっこんで、上場させてウマウマ”的な働き方のイメージですね笑
(偏見かもしれませんが、こういう会社の方って○○商事出身の方が多い気がします笑)
学習時間をちゃんと確保する、全国でバラバラになってしまった授業進度を揃える
脱線?が長くなりましたが、今注目されているのはこのメリットですね。
まず、“9月新学年”の議論というのは、この話と全く関係なかった話です。
今回、“ちょーどいいんじゃね?”ってことで“9月入学”の話がひっぱりだされている格好です。
→まず、所定の授業時間を無理なく確保する、というのが最大のメリットですよね。決めてしまえば、確実に実現可能です。
次に、地域でバラバラになってしまった学習進度に対して、少なくとも“授業でやっていない”という生徒がでないようにできる。
そして、コロナの収束具合によりますが、“夏休み等の長期休暇を確保”することで“消費活動”が期待できる。特に旅行や交通関連の企業はマジでやばい状況ですからね。ただでさえインバウンドがなくなり、国内も止まっている状況ですので、長期休暇はせめてあって欲しいところだと思います。
最後に生徒にとって夏休みが“後顧の憂いなく存分に遊べる期間”になります笑
これは、生徒にとってめちゃめちゃ大きいですね。(ハメを外し過ぎたり、学力への影響もあると予想しますが)
⇒この議論は難しいところで、例に漏れず、“あちらを立てればこちらが立たず”になっております。最後のメリットを除き、各メリットは一定の効果があると思いますし、いずれも大事な事だと思います。
この非常時ですから、だれも不利益を被らないなんて、無理な話です。
しかし、どこかに負担が集中し過ぎないか、というのを考えるべきだと思います。
ですので、デメリットを記載した上で、私見を綴りたいと思います。
さて、いつものことながら長くなってしまったので、後編へ続きまーす。
後編はデメリットを考えて、トータルとしての私見を綴りたいと思います。