塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

個別指導塾が、オンライン授業を検討して見えてきたこと

久々の更新ですね。

 

まず、塾のお知らせをば。

5/3までの休校でしたが、GWに合わせて5/6までに延長。

5/7以降は週1日だけ、授業を再開することと決定しました。

 

諸々を考えての決定ですが、もう、素直に、これですね。

 

“はよ収束してくれ”

 

いや~、ぶっちゃけしんどいですね。

一番大事な時期にコロナの波がモロ被りになってしまい、もう、ね…。

 

まぁ愚痴をいっていてもしょうがないので、状況に合わせてやるしかないですね。

その中の一つが、Zoomを使ったオンライン授業です。

当塾でも検討の上、一応の結論が出ました。そちらをネタに書いていきたいと思います。

 

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個別指導のスタイルがそのまま適応可能か

 

個別指導だと、1対2が主流ですかね。当塾は最大で1対3ですが。

 

検討結果はこんな感じです。

1対3:検討するまでもなく無理!!

1対2:検討したけど無理!

1対1:一応形にはなるかな・・・

 

う~ん。中々厳しい結果です。

 

何が問題なのか

 

検討で出てきた問題点はこんな感じ

生徒の表情や手元が見えない

まずパッと見で分かるレベルだと、まず手が動いているか否か。詰まっているかどうかの判断ですね。

対面だと他の生徒に説明している時に、ちらちら手元を見ているのですが、オンラインだとそれが確認できないんです。

生徒自身に声をあげてもらうしかなくなります。

これが、まず1対2以上は無理な理由ですね。

 

 

ノート等が見えない

次に間違えた時ですね。その原因を辿れないんですよね。生徒に手元を映してもらえばいいじゃないか、と思われるでしょうが、カメラ越しだと“ノートの字が見えない”のです。(マッキーだったらいけます笑)

これはけっこー大きいんですよ。

となると、生徒自身に“どこを間違えたのか”を説明してもらわないといけません。

理想は理想なんですが、大方の予想通り、これはできないパターンが多いです。

こうなると、つまずいた点を確認するために、時間もかかるし、講師も生徒もストレスが溜まりますね。

“ミス”のレベルならまだしも、分かっていないことがある場合、それがなんなのか生徒は分からないですからね。

 

タイムラグ問題

音声に若干のタイムラグがあるズレがあるっていうのは、話している方も聞いている方もやはりストレスです。

話が終わった、と思って話始めたら、向こうの話がまだ続いてて、会話を被せちゃった!ってのも多発します笑

講師と生徒のやり取りが増えれば触れる程、ストレスは増えていくでしょう。

 

宿題の指示がちょー難しい

まず、対面だと、生徒の教材を手に取って、内容を確認して、ページ数や問題番号を付箋に書いて渡すって感じです。

オンラインだと、まず最低限講師の手元に生徒の持っている教材と同一のものがないと厳しいです。

当塾はテキストを固定していないので、塾側に生徒の持っている教材がない、なんてこともあります。

その場合はもう単元で振るぐらいしかできないですね。普段なら授業の様子や生徒のレベルを考えて不要なものはある程度省くんですが、“どーん”って出すしかなくなります

一方で講師の手元に同一教材があった場合は、多少マシです。

手元の教材を見ながら指示を出していく訳ですね。

ですが、“ハー、授業終わった”と思っている生徒が聞き逃す/控え忘れる、なんてことが多発するのは目に見えますね苦笑

まぁメールなりなんなりで別途指示を出せばよいのですが、小中学生はスマホを持ってない子も多いですから、結局保護者の方に管理をお願いせざるを得なくなります。

 

オンラインは個別指導には向かない

これは間違いないと思います。

ただ、オンライン授業がダメかというと、そうではないと思います。

オンラインにはオンラインのやり方を適用すべきだと感じました。

 

まず、意外かもしれませんが、オンラインは対面に比べれば“双方向やりとり”に向いていません。

当たり前といえば当たり前なんですが、なんとなく“双方向”に強い、というイメージがありませんか?

そりゃ電話やメールに比べればそうだとは思いますが、現在対面の授業の代替としての役割が期待されているので、“対面よりはかなり不自由”というのをしっかり認識しないといけないと思います。

 

じゃー相性がいい授業形態は?

オンラインでの授業を考える際には、とにかく双方向のやり取りを“減らす”事が大事です。

そうなると、どういった授業と相性がいいのか。

 

・・・集団授業のように、講師が一方的にしゃべる形態ですね。

“説明”をする、という点では対面よりも劣る面は少ないと思います。これを授業のメインにすればうまくいくのではないかと思います。

そうなると、基本“予習”にはある程度使えますが、“復習”には相性が悪いと言えます。

 

現時点での結論

ここまで考えた私の結論は下記です。

 

“オンラインよりも動画の方がいい”

 

まぁ、身もふたもないこと笑

 

授業の形態を考えた時、オンラインも動画もできることは変わらないんですよね。

一方で、動画なら繰り返し再生できる/講師も何度も説明しなくてもよい=コストを安くできる/生徒は自由な時間に視聴ができる、等々、メリットが多くあります。

 

ただ、オンラインでも工夫次第で、ある程度は疑問点や躓きの解消には使えるとは思いました。

なんでもかんでもオンラインでやるのではなく、“オンライン授業=疑問解消の時間”と設定したらどーだろうかと。

 

    1. 授業の前に、躓いた問題の写真等を生徒から講師に送る
    2. 講師は授業前に疑問点を把握し、説明を用意しておく
    3. 授業が始まると、その問題を一つ一つ説明し、確認を取っていく

こんな感じでしょうか。

ただ、こういう形態だと、生徒がそれなりに学力向上にコミットしていないと、分からないところや、生徒が分かっていると思っているが実は分かっていないところ等が放置されてしまいます。

いずれにしろ、満足の基準を高く持ち、学習意欲が高い生徒さんにしかうまくはまらない恐れはありますね。

 

当教室の対応

 

そんなこんなで、オンライン授業はなるべくやりたくない、というのが本音です。

ですが、対面を避けたい場合、これしかありませんので、ご要望に応じて対応する事にしました。

流石に、動画みたいに延々しゃべり続ける、という形にはしたくないので、1授業を説明パートと疑問解消パートに分けたいとは思っています。

 

「いや、オンライン授業もこんないいところがある!」みたいなご意見やご指摘は是非教えて頂けると助かります。

平時でも使えるものは使っていこうとは思っていますので、この機会に視野が広がるとうれしいな、と考えております。

 

・・・久々に政治ネタ以外を書きましたね笑