【知事会から提案&首相も検討指示】後編:9月入学はありか?なしか?【今後の論点整理のためにも】
やっとこさ、後編です。
最初に断っておきますが、デメリットをあげきりませんでした。
多すぎて挫折しました苦笑
そして最後は個人的本音を述べて、台無しにしています笑
(本音は偽らざる本音ですが、”論点整理”というのもまた、確かな意図ですよ!)
これまでの記事です。
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
デメリットの続き
さて、前回の記事に続きデメリットを見ていきましょう。
大きな話からしていきます。
国際労働市場へのアクセス改善により、国内失業率の増加
→前回の記事の補足で書いた部分の話ですね。
どちらかというと、生徒さんというより、社会全体の話になるかと思います。
こういう話になると、“ゆーても”的な感覚がどうしてもあるんですが、コンビニの店員さんなんかを見ていると、肌感覚としては日本の方の方が少ないんじゃないかと思います。
この変化、アッという間でしたよね。
私の地元は田舎ですが、工場が多い地域でもあります。アジア系の方々が多くなってきてますね。
余談ですが、ちょっとした文化摩擦でいうと、夜に、田んぼで、ザリガニとってるんですね苦笑
こんな感じで、確実に日本市場にも外国労働力が参入してきています。
今までは“人手不足だから”という面もあったとは思います。
ですが、状況は大きく変化したのです。
いわずもがなですが、アフターコロナを想定した場合、“増加した失業率”をどうするのか、という社会問題が出てきます。
小泉内閣以降、雇用の調整弁であったところの派遣や契約の方々はもちろん、リーマンと違い、今回は多くの個人事業主の失業を現在進行形で生み出しています。
大手も苦しいのは間違いなく、大規模なリストラを行っているところもありますが、これらの企業からの解雇を受けた方は、再就職の目途が立ちやすいと思います。
一方で、今回増大すると見られる派遣・契約・自営業者や、家計が苦しくなり働き口を求めるアルバイト学生などは、流動的な雇用を求め、競合すると思われます。
そこに、海外の安価な労働力がアクセスしやすい状況をつくってしまっては、国民の働き口は枯渇してしまうのではないでしょうか。
リーマン以降、大企業が内部留保を溜めに溜めていたのは有名な話ですよね。
今回“ほれ、みたことか”ってなもんでしょうか。
この姿勢や、経団連の“9月入学”賛成論を見ると、日本人の雇用が改善していく事は、ちょっと悲観的にならざるを得ないですね。
英のEU離脱や米の移民排除の動き。これらは対岸の火事ではありません。
そして、“9月入学”をするのであれば、国内雇用保護の動きがある中での労働市場開放となりますので、少し警戒感をもっておくべきじゃないかと思います。
9月入学にしても、それまでに一斉に授業が開始できる状況なのかと、感染第2波、第3波を想定しておかなくてはならない
→これは割と多くの方が指摘している部分ですね。
内容は既に多くの議論がなされているので、対策として期待されているオンライン授業について私見を書きましょう。
オンライン授業:環境整備について
東京都が、都民へのタブレット貸与を打ち出しました。
予算は84億です。
・・・はい。マスクの500億弱があれば、都民の6倍ぐらいの子ども達へ、同様の対応が可能だったのでは、という話です。
以下の記事でも、タブレット貸与は国策として予定していることに触れています。
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
文科省からも前倒しの発表もありました。小学校の教科書にQRコードもついてます。
どうせ想定されてることです。
なんで速攻でやらないのか!?
これにつきます。
オンライン授業:インフラ整備について
義務教育の小中学生でも1,000万ぐらいの人数がいます。
高校生や大学生も合わせると1,500万ぐらいでしょうかね。
確実に回線業者とのすり合わせが必要なレベルです。
ですが、NTTなら総務省管轄じゃないですか。今までも強権発動しますやん。
なぜ、今それをやらんのか?
ソフトバンクなら孫さんじゃないですか。色々協力してくれてますやん。
なぜ、頭を下げて頼まんのか?
5Gが今年3月からスタートでしょ?
プロモーションに使ってね。そのかわり格安、あわよくば無料で、とか話のもっていき方はいくらでもあるでしょ?
逆に、5G普及のキャンペーンに対して、政府から補助金出すから、教育のインフラ確保させてね、とかでもいいんじゃ。
5Gは国策でしょ?米中に遅れてる訳だから、ここで一気に普及を狙うことは、今後において決してマイナスではないっしょ?
正直技術的な事は分かってないんですが。
オンライン授業:内容について
オンライン授業となると、対面と勝手がずいぶん違ったり、教材の電子化や新規作成が必要だったり、そもそもIT操作に慣れない先生方もいたり、理科の実験や副教科をどないすんねんって話もあったりで、中々難しい面もあるのは確かです。
弊社でも下記の記事でオンライン授業を検討しましたが、対面授業よりもかなり質は落ちる、と判断しています。
ですが、学校の授業スタイルであれば、基本の部分は押さえられると思います。
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
実は、中学生の5科目限定であれば、2月末の休校から直ぐに対応が可能だったんですよ。
こちら、なんと、教科書準拠してるんですよ。
オンラインじゃない?いやいや、別にいいじゃないですか。
先の過去記事でも書いてますが、個別対応ってのはオンラインじゃ難しいですから、オンラインも動画も、そんなかわりませんって。
学校の先生の方が安心感がある、って考えもありますが、丁度新年度で先生が変わったと思えば笑
関先生、めちゃ素敵ですよ笑
政府申し込みで月額500円ぐらいにしてくれると思いますがね笑
だって、人件費が新たに発生するものじゃないから、リクルートさん的にも、“ウホっ、ウマっ!”ってなもんでしょ。
まぁ、サーバー関連等の増強は必要でしょうが。
小学生は教科書準拠してませんが、基礎/応用に分かれています。
国語は文章のチョイスがありますので、検討の余地があることですが、他の4科については教科書準拠にこだわらなくても良いのでは。
各自治体毎に、年間カリキュラムに合わせ、週単位でどの動画を視聴するのか選定し、どっかのタイミングでテストをする、という形でも運用可能では。
そりゃ、指示だけしても見ないとか、テストに不正の余地がある、とか色々ありますけど、動画配信の時間を設定して、ログインの確認を取る形にするとか、親にテスト監督をしてもらうとか、やりようはあると思いますがね。
(それでもさぼる子はいると思います。でも、対面授業でもそーいう子は授業聞いてないと思う笑)
高校生は難しいですね。学校の先生がオンラインでやるか、スタディアプリや東進に協力を仰いで、既存の動画で視聴対象を決めて、カリキュラムを作るか、といった感じでしょうか。
長くなりましたが、オンラインもしくはそれに準ずる動画配信といった対応は、実はその気になれば、直ぐにでもできたことだと思っています。
私企業なら“利”が提示されれば、がっつりやってくれると思いますがね。
SARS,MARS,コロナ等のウィルスは10年周期で来ると言われていますし、日本は天災の多い国です。
緊急時の対応策をこの期に構築しておいて欲しかったと思いますが、結局うやむやになりそうですね。
下記の台湾の記事でも書きましたが、政府対応に違いがあり過ぎます。
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
2月末の休校の時点で、現在の状態をリスクとして持ち、直ぐに対応を始める姿勢が必要でしたね。
個人的にはもっと“民”を頼るべきだったと思います。
“癒着”との見方もあるかもしれませんが、どーせマスクの業者も恣意的に決められている訳ですから。それよりは全然健全だと思います。
10代以下はどう見ている?
→もう最後にします。あと10個近くあったのですが、疲れました笑
最終的な私見も含めて書いていきます。
新聞紙のアンケートを見ると、半数以上が“9月入学”に賛成というものが多いかな、という印象です。
この賛成票が“国際標準に合わせる”という趣旨なのか、“詰め込みを避けたい”という趣旨なのか、割合が分からないところです。
前者の理由だった場合、「後者の意見を利用した自論のごり押し」とみるべきでしょう。
ただ、誤解して欲しくないのは、私としても“メリットが多くあり、この国難ともいえる状況にぶっこんででもやるべき”という話であれば、やるべきだと思います。
私が無知故かもしれませんが、パンピーから見ると、それだけのメリットがあると思えませんし、そのメリット自体も代替案が考えられますし、諸刃の剣の面が透けて見えます。
いーじゃないですか。コロナが落ち着いてからで。
“このタイミングじゃないとできない”とおっしゃいますが、本当に必要な事であれば、平時であって、その方向性に行きますよ。
ホント、それだけの話です。
(まぁ、9月論者の方は、このタイミングで楔を打ち込んでおく、というのが本当の狙い、という可能性がかなり高いとは思いますが)
後者の“詰め込みを避けたい”という話は、しっかりと考えていかなくてはいけないと思います。
では、一つの参考に見出しの記事の“10代の声”を見てみましょう。
(nが少なすぎますので、正直○%というのに、あまり意味はないと思います)
▼学費や生活費の増加など経済的問題への不安
▼受験も先延ばしになる可能性への不安
▼すでにオンライン授業などの対応が始まっている中での大幅方針変更への反発
▼9月にコロナ禍が収まっている保証がない中での制度変更への疑問
▼準備期間が短く、できると思えない。拙速にやるべき問題ではない
▼早く進学、就職したい
▼卒業式や入学式は桜の季節がいい。梅雨、猛暑、台風の季節は嫌。
20~30代も含めた若者の対案としては
▼オンライン授業の環境を拡充する
▼夏休みなどを使って授業し補う
▼入試の出題範囲を絞って教育格差に対応、などの意見もあった。
等が載っています。
まず、“こんな短期間でできる訳ねーじゃん”って主張です。
身も蓋もない・・・笑
過去の記事にも書きましたが、既に子ども達の政治不信はかなりのもの、とみるべきでしょうかね。
kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com
また、受験や進学・就職の先延ばしを懸念する声もありますが、そこにもう一つ考えて欲しい事があります。
それは、浪人生の存在です。
受験制度が変わるけどよく分からない、という状況を覚悟の上で、浪人を選択した生徒達。
彼ら・彼女らに、さらに、入試時期の半年延長を強いることになります。
これらの生徒達は、かなり金銭面に関しても気がかりに思っているはずです。
ここも、ほとんど指摘されていませんので、書いておきます。
そして、もう一つ指摘しておきたいのは、金銭の問題です。
“9月入学”で学費の返還をする、ということは、それなりに問題を誘発することを書きました。
個人で借金するにしろ、政府からの支援金という形にするにしろ、背負っていくのは子ども達です。
実は私自身、大学の学費は奨学金で賄っているんですが、けっこーな借金でした。(完済しましたけどね)
分散登校など、学校再開のスキームが論じられているので、まぁ“9月入学”はないだろう、と見ています。(10代の意見にもありますね)
ですが、今後も本気で9月入学を考えるのであれば、“政府主導”で“回答可能な生徒達”に、“論点整理”をした上で、全数アンケートを実施すべきだと思います。(一定年齢以下は親が代筆ですね)
また、“賛成派”の意見は大きく二つあることを頭において、割合だけ見て判断しないようにしないといけないと思います。
二つの意見は、主張も本質的対応策も違ってくるからです。
ちょーど“9月入学”というのが、後者の方々にふんわりさっくりアピールしているに過ぎません。
さて、長くなりましたが、これで一旦この話は終えようと思います。
あまりに、論点が不明瞭なまま、勢い任せで話が盛り上がっている感があったので、自分なりに整理してみました(整理しきれてないですがね笑)
偏った意見であるのは重々承知ですが、参考になれば幸いです。
そもそも、塾運営として9月入学なんてなったら死んじゃうー!!というのが本音ですからね!!
(台無し)