塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

【台湾政府の対応がパない!!】休校措置に見る日本政府と台湾政府の差【政治システムを考える】

台湾政府がすごい!!

マジですごい!!!

・・・台湾政府の対応は、実は当たり前なのかもしれないけど、日本政府を見ているとそんな風に感じてしまいます。

 (本当は今日は、「巣ごもり生活、ガンプラのすゝめ!!」的な記事を書こうかと思っていましたが、折角の休みなので、コロナ関連の記事です)

 

 

日本政府対応への所感

 

過去記事でも書いていますが、私はあまり国の対応については好意的ではありません。(というか、好意的な方がいるのか・・・?苦笑)

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

 

正直、細かいことについては見識がある訳でもないし、細かく調べて自分なりの知見を持っている訳でもありません。

そういう意味では、批判的な事を言う資格はないのかもしれません。

 

ですが、これまでの対応が、“リスクを嫌った事なかれ主義”に終始しており、その結果後手後手に回っている印象を禁じ得ません。

そして、その結果、場当たり的な対応が目に付き、信頼感を失っていると感じます。

 

しつこいようですが、2月発表の「全国休校要請」と今回の「自治体判断」。

対応の違いの“医学的”根拠はなんなんでしょうか?

それとも“経済支援策”のタイミングと“休校に伴う経済的損失”のバランスなんでしょうか?

・・・いずれにしろ、なにも説得力のある説明はないです。

 

野党もその辺り、“ここがチャンス!!”と言わんばかりに攻め立ててますね。

ですが、襟立刈り上げさんなんかも、ここぞとばかりに切り込んでは、ヤフコメで「それ、あんたもやってたじゃん!!」的なツッコミをもらってますね笑

 

もはや、様式美になりつつあります笑

・・・ヤトウッテ、イリマスカネ???

 

このブログでも度々言及している「能動/受動」ってのが、ここにも表れてるな~、と思ってしまいます。

 

また、こういう“未曾有”・・・じゃなかった、“みぞゆう”の事態が起きたことで、色々と我々も考えるべきだと感じています。

 

そもそも、“想像の共同体”であるところの、“国民国家”というシステム自体が、もう機能不全に陥っている、という話もありますが、今回は“政治のシステム”について、少し考えてみたいと思います。

 

すいません、前置きが長くなりました。

 

台湾政府が休校→再開時に整えた体制

 

まず、こちらの記事から、台湾政府が一斉休校後の学校再開時に整えた体制を引用しましょう。 

president.jp

 

1.毎朝登校時に学校の正門で検温

額検温で37.5度以上、耳内検温で38度以上あった場合は出席停止。症状によっては即時病院へ。発熱や症状の疑いのある生徒は、休んでも欠席扱いにはならない。

2.教職員は、発熱や呼吸困難など何らかの症状が校内で出た場合、すぐにマスクをし、帰宅まで個室待機

3.645万枚のマスクを、全教育機関に予備用として配布済み

(全国の教職員・生徒・学生に対し1人1枚に相当)

台湾ではすでに国民全員に平等にマスクを有料配給する仕組みができており、十分な量とは言えないが、マスクを持っていない生徒は原則としていない。

4.アルコール消毒液8.4万トンが、教育機関に配布済み

校門、教室、トイレなどあらゆる所に設置されている。

5.額にかざす非接触式体温計2.5万個を全学校・教育機関に配布済み

6.2月23日までに学校の完全消毒完了

休校中に教職員が総出で、教室内の机や椅子、廊下などの全面消毒を実施。

7.開校中は教室の窓を開け、換気を十分に行う

8.感染者に接触したと思われる場合は、14日間自宅待機とする

9.大型の学校行事や入れ替え授業(複数クラスの交流など)は中止

10.感染者が1人出た場合は学級閉鎖、2人出た場合は学校閉鎖。

11.学校に医師を派遣し、感染予防指導や見回りを行う。

 

いかがでしょう?

一つ一つは、当たり前のことに感じるかもしれません。

ですが、私が何よりすごいと思うのは、

“行動レベル”まで落ちており、実際にその対応を行うのに必要な“ハード”の手配が既に完了している

という点です。

(後に引く記事にありますが、マスクの手配についても、閣僚に優秀なエンジニアがおり、コロナ騒ぎが起きて直ぐ、国内の需要を賄い切る体制を整えて、いまでは諸外国に配布する余裕ぶりです)

 

し・か・も。

2週間です。

これを、休校開始から議論を始めて、再開までの2週間で整えきったんです。

 

・・・速い。速すぎる!!そして、“実効性”がすごい!!!

 

行政の長たちには、しかるべき能力を期待したい

 

さて、約一ヶ月の休校期間の間に、日本政府は何を整えたのでしょうか?

よく分かりませんが、何もこちらには伝わってこず、この休校期間は単なる“様子見”であり、特に何もしていないという風に見えてしまいます。

 

安倍さんって、何がすごい人なんでしょうか?副総理は?

2月の休校措置発表で蔑ろにされた萩生田さんは?

事務次官のツイートで現在進行形で炎上中の国交省の赤羽さんは?

 

・・・良く分からない、というのが私の偽らざる本音です。

 

国政の執政者な訳ですから、システム的にはNO1とは言わなくとも、日本国の人材の中で、相当に相応しい人材が、そのポストに就いていなければおかしい訳です。

 

台湾政府の有能感の理由

 

こちらもプレジデントの記事です。

news.goo.ne.jp

 

簡単にいってしまうと、台湾政府のコロナへの迅速で的確な対応は、

“とーしろーじゃないから”

とのこと。

 

(…まるでどっかの政府は、とーしろーだよ、と言わんばかり苦笑)

 

IT担当大臣は少し前にも話題になりましたよね。

知能が高すぎ、中学時にドロップアウトし、そこからレールを外れるも、その類稀な才覚で、国の要職を任された人材です。

 

・・・まぁ、日本政府ではあり得ない話ですねー。

 

上記の話からも分かる通り、実力本位の人事システムになっているという話が記載されています。

その中で、立法府と行政府の分離があげられています。

 

台湾では国民の直接選挙で選ばれる総統が行政院長(首相に相当)を決め、その行政院長が中心となって閣僚を任命する。最大の特徴は、「大臣」に相当する人々が誰ひとり「国会議員」ではないという事実だ。行政院長や部長・政務委員(大臣)は、立法委員(国会議員)ではないのだ。

 

日本ではいわゆる議院内閣制で、両者は互いに連帯責任を持つ、というのを中学生で習います。国務大臣の半数以上は代議士から選ぶ、というのもその制度の一環ですね。

            f:id:kobetushidou_obata-naeshiro:20200405220018j:plain

 

で、このシステムって現代にあってるんですかね?

 

立法府の人間が行政府を兼任して、どうして正しい監督監査ができるのか」

 

 

記事のこの言葉、重いですね。

 

代議士さんって、本来立法がお仕事ですからね。

システム的には、国民も行政能力は考慮しないで選ぶはずですよ。

 そんで、ある日大臣に選ばれる事で、立法職から、ある時急に行政職の、しかもトップ職に“ジョブチェンジ”するんですよ?

 

これって、一般的な会社でいうと、

一企画担当→部門統括の執行役員

っていう人事です。

 

改めて考えてみると、かなーり無茶苦茶やないですか?笑

 

もう少しリアルに考えてみましょう。

閣僚ポストに就くためのプロセスって、乱暴に言ってしまえば、こんな感じだと思うんです。

当選を重ね、地元の地盤を確たるものにしつつ、自民党内での政治と時の運により、プレゼンスを伸ばし続けた者に、ポストが与えられる。

 

・・・んで、これ。

“執政能力が高い人がポストに就く”、という形になってんの?

って話です。

 

そりゃ、各ポスト、取り組む課題等で、求められる資質は異なると思います。

それは、平時と有事の際でも異なるでしょう。

だから、一定の資質で十把一絡げに論じきれるものではないというのは承知の上です。

 

ですがね。

それでも、日本政府と台湾政府を比べて、歴然とした差を感じざるを得ないのです。

 

具体例として、学校再開時の対応で触れた、マスク増産体制を成し遂げた閣僚についての引用に触れておきましょう。

一方、マスクの輸出禁止や増産体制などを整え、マスク不足問題の解決に活躍したのが、沈栄津(しん えいしん)経済部部長(経産大臣に相当)だ。彼は台湾国内におけるマスクの増産体制を作り上げるため、全国の工作機械組合、精密機械センター、マスク生産業者、紡績所、その他研究団体など30以上の企業と国家組織をまとめて、構築に3カ月から半年かかるといわれた60本のマスク製造ラインを、わずか1カ月で完成させた。

 

現在、台湾は1日1300万枚の生産量を持つ、世界第2位のマスク生産大国になっている。 先日、蔡英文総統はそのマスクを米国に200万枚、イタリア・スペインなどヨーロッパに700万枚、国交のある国々に100万枚送ると発表している。

 

この沈経済部部長も、立法委員ではない。電気工学やオートメーション化技術を学び、経済部に入省した官僚出身者だ。経済・産業行政を担当する官僚として地道にキャリアを積み上げ、科長、組長、局長、次長などを経て、大臣にあたる部長にまで登り詰めた。経済官僚として培ってきた人脈と経験が、今回のプロジェクトの成功に大いに役にたったことは間違いない。

 

もうね、エキスパートってことが、ひしひしと伝わってきますね!

少し、孫さん個人がマスクを医療機関に提供する話ともリンクしてきて、示唆的ですね笑

 

『9条よりも、政治システム自体を検討する時期じゃないのか?』

 

さて、今回のコロナ騒ぎも、いつかは収束するはずです。

意図せず、見出しも含め、記事の趣旨まんまの所感となってしまいましたが、私たちは、今回の騒動で露呈した“剥き出しの行政”を忘れてはいけないと思います。

私たちは、有事の種類は異なりますが、民主党政権時に似たようなことを経験しているはずです。

(東電と民主党政権の責任のなすりつけ合いで、うやむやになっていることが多い感じですが、当時、民主党政権のブレーンに抜擢されていた宮台さんのインタビュー記事を読むと、けっこーな衝撃を受けます)

 

この話はかなりハードルの高い話なのかもしれません。

なぜなら、基本的に現状の立法府と行政府に居る者でないと、改革を成し得ないからです。

我々は声を上げるしか、いまのところ手がだせないですね。

 

ですが一方で、実はビジネスの世界では当たり前に行われていることであります。

 

リクルートが分かりやすいですね。

リクナビという求人、マッチングのトップシェアの商品を持ちながら、indeedを買収し、競合させています。

自らのビジネスモデルを、自ら破壊しにいっている訳です。

これは、競争が原理のビジネスにおいては、当たり前ですが、既存のビジネスモデルはいつか必ず破壊されるからです。

なので、リクルートは、「他社に破壊されるぐらいなら、自らの手で破壊し、そしてまたトップを維持する」という思想を持っている訳です。

 

ビジネスだろうと、政治だろうと、外部環境が変われば、求められるものも変わっていきます。

システムがそぐわなくなってきているなら、“仕組み”そのものを変えていく必要があると思います。

 

コロナを乗り越えた先の、日本政治システムの変革に期待をし、また、声も上げていきたいと思います。

 

かなり堅い記事になってしまいました。

・・・次回はガンプラかな!!