塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

【中2理科】湿度計算に見る”知識”と”理解”の違い【今回のテスト範囲だよ】

どうも。

 

守山小幡教室です。

 

本日は、中2理科の湿度計算を例に、”知識”と”理解”の違いについて記事を書いてみたいと思います。

 

この湿度の計算は、個人的な体感では、かなり多くの生徒さんが苦しむところです。

なぜ、この単元は難しいのか。

どこに生徒さんの壁があるのか。

ちょっと考えてみたいと思います。

 

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なぜ湿度計算の単元は難しいのか

まず、基本的な道具の整理から。

湿度計算の公式:空気中に含まれる水分量/飽和水蒸気量×100(1㎥単位)

 ですね。

 

単なる割合ですね。

この公式が中2の後半になって使えないなんてことはないはずです。

飽和水蒸気量も問題文で与えられますから、覚える必要ないです。

 

ってことで、問題は”空気中に含まれる水分量”ってことになります。

 

通常、この”空気中に含まれる水分量”の値は、問題文で与えられません。

そして、この値を見付けるには、”露点”の”正しい”理解が必要になります。

 

教科書に書いてある説明を理解するだけでは不十分

”露点”=”大気中の水蒸気が冷却して露を結び始める時の温度”

 教科書が手元にないので、ネットで”露点とは”と打ち込んだら出てきました。

教科書的にも大差ない説明だと思います。

 

そして、下記に典型的な湿度計算の基本問題を挙げてみましょう。

室温20°の部屋に、セロハンテープを貼ったビーカーに氷水を入れてしばらく置きました。

ビーカーの温度が10°になった時に、セロハンテープが曇りだしました。

この部屋の湿度を求めなさい。

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飽和水蒸気量は与えられているので、”空気中に含まれる水分量”さえ出せればOKです。

 

で、まず”露点”という単語が使われていません。

 

→(´◉◞౪◟◉)!!

 

こうなっちゃうのも分からなくはない・・・苦笑

 

ここで、以下の理解が必要となります。

”くもり始める””水滴が付き始める”温度=”露点”

 

これが理解できていれば、問題文から”露点”が発見でき、10°=”露点”を確定できます。

 

”空気中に含まれる水分量”を出すのが目的ですから、このジャーニーはまだ続きます。

 

次に、以下の理解が必要となります。

”露点”の飽和水蒸気量=”空気中に含まれる水分量”

 

露点は湿度100%ですから、上記の関係が成立します。

はい。ここでゴール目前まで辿りつきました。後は割合を出すだけです。

 

ってな感じですね。

ですから、教科書的な”露点”の説明を覚えていても、”問題に活用する形”で知識を整理していなければ、実際の問題は解けない訳です。

単一の知識を問う問題であれば、覚えるだけの世界ですが、このような基本問題であっても、文章題の場合、知識が”活用できる形で”整理されていることが必須です。

 

”知識”と”理解”の違い 及びその応用

生徒さんを見ていると、ここが壁になっているな、と感じます。

当然、この湿度計算の問題だけの話でなく、学習全般に言えることです。

この湿度の問題から考えるに、以下の事が言えそうです。

”提示されたままの形でインプットする”=”知識”、”問題で使える形でインプットしなおす”=”理解”と言えそうですね。

・・・こう書いてしまうと、”あったぼーじゃん!”って言われそうですが、けっこーここが壁になっている生徒さんは多いです。

 

また、こういった部分を発展させていくと、単一の知識を問う問題でも、応用が利くようになります。

 

Can you~? ~してくれなーい?

Could you ~? 大変不躾な話で、非常に失礼とは存じますが、~していただけませんでしょうか?

 

過去形ですけど、別に過去の話じゃないですよね。

過去形にすることで、丁寧なニュアンス、婉曲的にしている訳です。

         ↓

仮定法の主節の助動詞はwould,couldなど過去形の形でもってくる。

 

”仮に”の話ですから、婉曲的なニュアンスを助Vの過去形で表現する訳ですね。

 

・・・てな感じで、既習の知識を新たな単元に適用して、同カテゴリーで括る事ができます。

別に個別に覚えてもいいですけどね。

カテゴライズすると覚えやすいですし、メモリーから引き出しやすいですので。

ちょっとした差ですが、この積み重ねでメモリー容量に対する節約ができます。

・・・まぁ、デスクトップにバーンっておくか、圧縮してフォルダ分けして置いておくかみたいな違いですかね。

私はメモリー容量があると考えていて、容量が少なくなってくると、入りにくいし、引き出しにくくなると考えています。

根拠は・・・体感です笑

 

※ちなみに、婉曲表現云々の話は、私の”勝手な”理解です。

言語学者に確認した訳ではないです。

ですが、そんないちいち確認してたら時間がいくらあっても足りないので、”自分が腹落ちする”解釈を与えてしまえばいいのです。

モリー節約とアウトプットする際のスムーズさを上げるツールに過ぎないのですから。

 

まとめにかえて

ぶっちゃけ中学の間は”気合と根性”でなんとかなりますが、大学の一般受験になるとそーもいきませんね。

ここが、一つの分水嶺になっているかな、と思ったので記事にしてみました。

”なんでもかんでも理屈を突き詰める”ってのも、実はドツボに嵌るんですが、ある程度は”知識の形を整えて使える形でインプットし直す”というのは、大事なスキルだと思います。

 

じゃーどうすりゃいいの?って話ですけど、これはもー習慣というか、向き合い方ですね。

普段、どのレベルまで考えて、インプットとアウトプットを行っているか。

 

ぶっちゃけ、教科書読んだだけで、”知識の形を整えて使える形でインプットし直す”なんて無理です。

問題で躓いた時に、解説を聞いたり、読んだりした時に”あ、そーなのね!!”と気付き、その気付きをインプットし直せるかどうか、です。

 

ここを素通りしてしまうか、否かというのは、どこまで先生や親御さん、ひいては自分自身に求められてきたか、というのが大事だと思います。

 

個人的に学習を通してあげていくべきなのは、本来こういったスキルのことだと思っています。

トヨタのなぜなぜ分析にしたって、こういった部分の極致ですよね。

・・・5回はしんどい。

トヨタ系の人と話すと、真因分析がー、と言われちょっとひく笑)

 

さて、後半は指が赴くままに打ってしまったので、内容にまとまりがないですが、何か参考になる部分があれは幸いです。

 

それでは、また次回の記事で!