塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

【ガンダム国文法!】国語の”助詞”の重要性【小学生の親御様へ】

 

さて、ぶっこんだは良いですが、ノープランです笑(シャオ!)

 

この記事を書こうと思ったのは、やはり国語の重要性を訴えたかったから。

全ての科目、社会に出てからのコアスキルも、やはり国語だと思います。

 

だって、一日何十~百数十のメールを処理しますよね。

稟議書も日本語で書きますよね。

プレゼンは日本語ですよね。

会議は日本語で行われますよね。

 

でも、中学にあがると「ちょっとのいてろ」と英語にとってかわられる国語。

小学校英語のせいで、この時期も前倒しになるでしょう。

 

でも、我々の母語は”国語”なんですよ!

 

ちょっと軽視され過ぎていないか、というのが私の印象です。

 

”算数の文章題が解けない”という現象について

 

例えば、小2のかけ算の文章題。

2つ並べてみましょう。

 

チョコレートを生徒6人に7個ずつ配ります。

チョコレートは全部で何個いりますか。

 

生徒が6人おり、チョコレートは7個ずつ、クッキーは3枚ずつ配ります。

チョコレートを配った数は、クッキーを配った数より、いくつ多いでしょう。

 

さて、前者は九九を終えていれば、だいたいのお子さんが解けます。

 

後者はどうでしょう?

個人的な体感としては、20~25%ぐらいかな、といった感じです。

いや、もう少し低いかな。 

 

 

後者の問題も、単にかけ算1回と引き算のプロセスが加わっただけです。

なぜこれほど正答率の差がでるのでしょうか?

 

 

そうですね、助詞です

さらにいうと、格助詞です。

 

僕が一番、ガンダムをうまくつかえるんだ・・・!

 

ということで、完全な見切り発車かつ、ガンダムである必要性は全くなく、私の「ガンダム国文法」とうい響きがおもろいという動機だけによるものですが、下記をどうぞ。

アムロ、行きまーーす!)

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ガンダム国文法

さて、上記の図の一部=一つのセンテンス、と仮定しましょう。

 

アムロ、シャア、フラウ=ボウ、ハヤト、ララァ、ブライトさんなど、様々な人物がいますね。

彼ら(彼女ら)は、物体や抽象的な概念の名であるところの”名詞”です。

そして、矢印・❤・「三角関係」等のテキストは、関係性、つまるところの”助詞”にあたります。

 

もし、上図の中に関係性を示す記号がなかったら、単なる人物の並びになってしまいますよね。

そうすると、「こういう登場人物がいるんだな」というぐらいしか伝わりません。

 

図中の記号を少し助詞に変換してみましょう。

 

主人公であるところのアムロさんには”は”(主格)をつけましょう。

また、もう一人の主人公であるシャアには”と”(並立)をつけます。

 

シャアアムロ

 

ここまでで、センテンスの中心に2人をもってくることができました。

 

さらに、2人からララァに向かって出る矢印を助詞に変換します。

対象を表す連用修飾”を”をつけ、適した述語をつけます。

 

シャアアムロララァ取り合っている

 

さぁ、この関係性を他の名詞群にも適用しましょう。

 

ブライト=ノアとスレッガー=ロウ、ミライ=ヤシマを取り合っている。

(ほんまはスレッガー兄貴は、ミライさんを狙っていませんが、便宜上)

 

これで、老け顔、アメリカン江戸っ子、ホワイトベースのお袋さんの3名詞の関係性に、アムロ、シャア、ララァの関係性を適用することができました。

 

”も”は副助詞ですが、非常に情報量の多い助詞です。

この一文字だけで"前の名詞群に当てはめたのと同じ関係性を、本センテンスにも適用する"という働きをします。

 

・・・おそるべし、Japanese。

 

・・・連邦のMSは化け物か・・・!?

 

(余談ですが、この”も”っていうのは、大学入試レベルの文章を読む際にとても重要です。現代文は基本二項対立で語られるので、”対比関係”や”同様な関係”という把握がチョー重要になってくるので)

 

このように、日本語は、助詞の働きで”意味の世界”を作っているんですね。

 

”文章題が解けない”という時に何がおこっているのか

 

さて、冒頭に挙げた2つの文章題に戻りましょう。

後者の問題が解ける子、解けない子。その分水嶺は何か?・・・まぁ簡単ですよね。

関係性の理解=助詞の理解です。下記のように抽象化して見えているか、というのがポイントです。

 

よりいくつ多いでしょうか

 

苦手な子は文章を理解できないため、たいてい3つ以上数値が出てくると混乱します。

基本、2つの数字で”最近やっている〇算”をあてはめる、というのが文章題の解き方と思っている子が多いです。

ということで、文章題にある意味で取り組んではいないのです。

 

この差はでかいです(フォントも)

 

じゃあ、しっかり読ませる訓練をすればいいんでしょ?という意見もあるかもしれませんが、多分独力では理解できないと思います。

それは、言葉の関係性を表す助詞の働きを知らないから。

 

根気強く、大人が訓練をしてあげるしかないと思います。

出口さんの「論理エンジン」が、この辺りを意識した作りになっているので、アウトプット用としてはありかもしれませんが、1冊のボリュームは、かなり少ないです。

 

論理エンジン小学生版1年生―どっかい・さくぶんトレーニング

 

やはり、日常会話や読書するなかで、お子さんたちに意識をさせていくのが最も肝要かと思います。

親御さんの愛の手で、母語の力をしっかり育てて頂ければと思います。