塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

【これやっとけ!】高校生の古文学習【文系も理系も】

今日は、長引く休校措置の中で、高校生の古文学習について、おすすめのテキストとしゃぶり尽くすやり方を紹介したいとおもいまーす!

 

はい、こちら!!

古文上達 基礎編 読解と演習45

 

まぁ、ベタな一冊ですが、イイものはイイ!

基本的には、センターレベルまでの古文学習に使えます。

 

注意:上級編として「読解と演習56」もありますが、まずは基礎編からやりましょう。自信があれば上級編からでも構いません。

古文上達 読解と演習56

 

 

構成

 

基本構成は以下です。

    • 見開き2Pで1Pが文法、もう1Pが読解問題
    • 全45単元構成
    • 文法は歴史的仮名遣い、用言、助動詞、助詞、敬語、和歌
    • 重要古語も読解問題の左端で拾っており、45単元で150強の単語を拾えるようになっている。
    • 解答は別冊。
    • 読解問題の文章の全訳と本文中の助詞・助動詞にラインが引いてあり、解説あり(←これ重要)

 

一冊でこれだけをカバーできているのは、素晴らしいの一言。

 

参考書ってのは、結局使い方です。

なるべくカバー範囲が広い参考書を使うことで、あれもこれも、という状態を予防できます。

 

使い方

 

で、肝心の使い方です。

 

方針

 

古文は基本的に“全訳できる”という状態を積み重ねていくことが大事だと思っています。

(現代語訳を覚える、という意味じゃないですよ!)

ですので、一文一文しっかり単語レベルで切れて意味が分かる、という状態を学習の目標に設定していく必要があります。

学校でやっている古文の授業のイメージで大丈夫です。

ですが、学校の先生の説明を“口を開けて、ボーっと聞く”という意識でなく、古文そのものに“自分で説明をつけていくんだ”という意識でやってください。

 

スケジュールの設定

 

これは本参考書に限った話ではないですが、全ての参考書について、いつまでにマスターするかのスケジュールを設定しましょう。

この参考書なら、目安として3年生に上がる前ぐらいには終わらせておきたいです。

1週間に1単元だと7×45=315日となります。

1周だけではものにできませんので、2周なのか、3周なのかは、自分の理解度と相談して変えていきましょう。単元で濃淡もできてくるはずです。

今回の緊急事態宣言みたいに、延長せざるを得ない状況も想定されるので、ちゃんと調整する期間を用意しておきましょう。2年の8月までにマスターする予定を組む、とかですね。

 

以前も下記の記事で紹介しましたが、“×nを組み込む”ということで、前回に消化した部分の確認から入る、というルールにしておくと、効率よく2周でき、忘却曲線対策になります。

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

 

間隔をあけすぎると“完全忘却”という現象がおきます。

効率悪くしたいなら、やらなくても良いと思いますが、良くしたいならやりましょう。

 

具体的使い方

 

では具体的な使い方を紹介していきます。

 

文法の確認

 

まず、各単元の前半である文法を確認しましょう。

ここは、講義を聞くイメージで大丈夫です。提示されている内容をしっかり理解して、使えるようにしましょう。

文法ページのおおざっぱな構成は以下の通りです。

f:id:kobetushidou_obata-naeshiro:20200508134717j:plain

①の基本事項はマスト。③の発展事項は理想は全てですが、ひとまず1P目の下部だけ押さえる、というのを目安にするといいと思います。

“一通り頭に入った”と思ったら②の確認問題を解きましょう。

 

当然、間違えたり、あやふやなものは丸付けの段階でしっかり理解しきること。

高校生にいう事じゃないですが、“あってたらいい”なんて事、ないですからね?

 

読解問題への取り組み方

 

はい、まず“解説”を開いてください!

・・・ちゃいますよ。答えや本文訳を見るんじゃないんです。

 

先にも触れてますが、本文の助詞・助動詞の一部にラインが引いてあります。

まず、このラインを参考書本体にも引きましょう。

 

これは、自分が説明すべき対象を明確化しているのです。

ラインを写しおわったら解説は閉じます。

 

参考書に戻り、まずは本文理解に入って下さい。

設問は“付録”ってぐらいで考えて欲しいです。

 

本文理解のやり方ですが、一文一文、ちゃんと単語レベルで理解していって下さい。

分からない言葉があったらちゃんと調べましょう。

知らない古語があったら、この時点で、別の色でマーカーを引くなども行ってください。

 

同時に、解説から引っ張ってきたラインについてのタスクを実施して下さい。

解説にはざっくりでしか書いてありませんが、下記を説明できるようにして下さい。

 

助詞の場合:格/接/副/終/係、の助詞の種類と“訳し方”(これは例えば“順接”でもいいですし“ので”とかでもいいです)

助動詞の場合:接続、終止形、活用形、意味

 

例)門なる人の徒然に居りけるが

→ 門なる徒然に居りける/

  「なり」、連体/体言接続、連体形、存在「~にいる、ある」

  格助、同格(~で)

     「けり」、連用接続、連体形、過去「~た」

  格助、主格(~は、が)

 

こんな感じですかね。記述の仕方はどうであれ構いません。ていうか、口で読み上げる、頭で想起する、というのでも構わないです。

要は、“確認すべき要素”をあげているのすぎません。

後は、時間効率を考えて、可能な限り簡略化すればいいです。

その上で、ちゃんと現代語訳できるか確認してください。

 

助動詞は皆さん大事だ、と分かっていると思うんですが、助詞は意外と手隙になってしまう部分です。

しかし、助詞は関係性を表す役割をもっています。

 

“マドンナ先生”で有名な荻野さんが、以前こんな趣旨のことをおっしゃっていたそうです。

自分は助詞をしっかり教える。なぜかというと、関係性が分かれば、話の展開によって、本文の意味を想像で考えることができるから

 

練習では一文一文、ちゃんと訳せるかを積み上げて下さい。

ですが、本番では、“全て訳せる”なんてことは期待しないでください。

それをやるには、古文にあまりに時間をかけ過ぎることになりますので。

ですので、荻野先生がおっしゃるように、助詞の理解というのは、とても大事になるのです。

是非、意識して勉強して下さい。

 

こんな感じで一文一文積み上げていき、最後までいったら、一回通して読んで内容理解をしましょう。

 

そのうえで、“確認”として問題を解いてください。

現代文と違い、設問自体に癖はないですし、現代語訳できていれば解けるものばかりです。

 

以上になります。

これをやると、最初はそれなりに時間はかかりますが、その内1時間もあれば十分に終わるようになりますよー。

受験まで時間がない!って場合は、和歌の単元は捨ててもOKです。ぶっちゃけ修辞法まで細かく覚える必要ないですから。

助詞についての現状確認テスト 

 

「已然形+ば」

→ハイ、3つの訳を言って下さい

 

これに即答できなかった人は、助詞にほとんど意識が向いていません。

基本の基本ですので、しっかり助詞を学習対象に入れて下さいねー。

 

 

ちなみに、理系の生徒諸君!

現文、とれないっしょ???

古文、漢文は満点狙いでいかないと苦しくなりますよ~。

理系だからといって、古文漢文を疎かにはできません。

むしろこっちでとらないとあかんのですよー。

早目に始めれば、余裕を持って取り組めるので、週に1回の気分転換、ぐらいの気持ちで取り組むのもおすすめです。

 

それでは、入試制度の変更やコロナで先が見えない状況が続きますが、やれることをしっかりやっていくしかできることはないです。

周りに振り回されず、粛々と、ぺースを乱さずに、目の前の事を進めて下さいね。

がんばれ!

 

あと、Z会さん、なんかくれ!!