【算数の文章題の壁】皆様のお子さんは、引き算を、“分かって”いますか?
さて、多くの保護者様から聞かれる
“算数の文章題が・・・”の声。
今回は、その文章題に関して深堀をする記事です。
本日のお題は“引き算”です!!
では、いってみましょう!
引き算を“分かっている”子は、実は多くない
さて、少し不穏当な見出しかもしれません。
「いや、引き算ぐらいで躓く子はいないんじゃない?」
と思われるかもしれません。
そうですね。“演算スキル”においてはそうだと思います。
ですが、引き算が“何をやっているか”という事の意味合いを正確に理解できているかとなると、実はそうではない、というのが私の体感です。
意外と難しい“引き算”
さて、具体例を挙げましょう。
3L入りのジュースがあります。昨日0.5L飲み、今日1.7L飲みました。残りは何Lでしょう。
水槽に70Lの水が入っています。バケツで10杯汲みだすと、水槽の水は23Lになりました。バケツ13杯では何L汲みだせるでしょう。
前者は多くの子がスムーズに解ける問題で、後者は割と多くの子がつまる問題です。
前者の問題は、単位が全てLとなっていることもあり、最初の値から、順々に0.5と1.7を引いていく形なので、演算が2つ入っても、多くの子が解ききれます。
後者の問題では、単位が2つ出てきているのがポイントです。Lと杯ですね。
こうなってくると、途端にどの数とどの数を使い、何算をするのか、というのが見えなくなります。
この問題の味噌は、“バケツ10杯分”をLの単位に落とし込めるかです。
基本的に、“単位が異なるものを足したり引いたりはできません”
(これも意外と意識出来ていない子がいます)
なので、下記の図の関係性をまずは見抜かなくてはならないのです。
“残り”という直接的言葉を隠された上で“単位の違い”を乗り越え、この線分図の関係性が掴めた子にだけ、問題は微笑みます(おおげさ笑)
引き算は全体と部分という見方が必要
後者の問題のように、“減らす”や“取る”、“残り”といった直接的に“ひく!”をイメー―ジさせる言葉がない場合、引き算をしようという発想が一段奥に隠れてしまいます。
その意味で、単語レベルで“○算”ということを決定する思考だと、立式が途端にできなくなってしまうのです。
引き算は足し算の逆プロセスです。
足し算は“部分”を順々に加えていくことで、答えが“全体”になります。
引き算は“全体”からスタートし、“部分”を取っ払うことで、他の“部分”(または部分の和)の値を求める行為です。
足し算は、出て来たものを手当たり次第足しあげていけば、まぁ答えに辿りつくんです。だからここがネックになることはありません。
しかし、引き算は、はじめから“全体”と“部分”という見方をもっていないと、「引き算で求められる!」という発想につながらないんです。
これは、中学生の方程式の立式でも顕著にみられます。
定番は割合や速さの立式が苦手、というパターンですが、意外とこの引き算の立式が出来ない子も少なくないんですよ。
だから、「減らす、取る、だから引き算でしょ?」ではなくて、「この数値は、こいつとあいつでできているんだよね。どっちかの数を知りたかったら、この数値から一方をとればいいんじゃない?」という前提条件まで踏み込んで発問をすべきだと思います。
子どもの思考は、こちらの発問の幅で行われます。
四則に関しては、“単なる計算”レベルでなく、 “関係性”といったレベルで発問をしてあげて欲しいな、と思います。
今日はなんか、ライトでポップな感じで記事がおさまっているんでないでしょうか?笑
これからも、こんな感じで書いていきたいですね~笑