塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

【大学入試におけるAO・推薦入試の隆盛】塾に求められるものとは【キャリア指導】

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AO入試と高校生にとっての「キャリア感」

気になるヤフーニュースが。

news.yahoo.co.jp

 

推薦については、一度記事にしています。

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

 

が、今回は別角度から考えていきたいです。

 

 

AO・推薦入試と指定校推薦

 

一括りに「推薦」といわれがちですが、似て非なるものです。

前者は、より大学の求める人材に近いと思われる受験者に対して、一般入試とは異なる尺度の試験を課し、合否を決めるというものです。

AO>推薦、といった形で一般試験よりも尖った試験となります。

 

後者は、大学側から各高校に対して入学可能枠があてがわれ、入学後~3年1学期までの評定平均の基準をクリアしている生徒の中で、希望者による競争が行われ、高校側の推薦を得られた時点で、ほぼ合格が確定するというものです。試験はありますが、形だけのものです。

 

今回はAO、推薦にスポットをあてたいと思います。

 

「ファッション業界の新たなビジネスモデルをつくる」

日経記事に出てくる、立教のAOに受かった生徒さんの志望理由だそうです。

いや、もう、素晴らしい!!

記事にありますが、「ファストファッションの裏に潜む児童労働や環境問題」についての出会いがきっかけだったというのも、課題意識が伺えてすごい!

 

でも、やはり高校生です。

ただ「そもそも、あまり長い文章を書いたことがないし、自分の経験や興味、問題意識を将来の夢や大学で学びたいテーマにどう結びつければいいのかも全くわからず、最初は途方に暮れました」と振り返る。

 

まぁ、そりゃそうですな。

そんな能力、既存の教育で育っている訳あらしませんよ。

我々のような私教育だって、基本は勉強を教えているに過ぎません。

 

確実に増えるAO枠

「一芸に秀でたごく一部の学生向け」というイメージは過去のもの。文部科学省によると2018年度の国公私立大入学者に占めるAO・推薦組の割合は45%、私立大に限れば52%にのぼる。難関校も募集枠の拡大に力を入れ、慶応義塾大学は湘南藤沢キャンパス(SFC)にある総合政策学部環境情報学部でAO・推薦の定員を21年度の新入生から1.5倍の300人に増員。早稲田大学も政治経済や社会科学など多くの学部でAO・推薦型の入試枠を増やし、一般入試による入学者数を逆転する長期目標を掲げる。国立大学協会もAO・推薦の定員を21年度までに3割に引き上げることをめざしている。

 日経では「就活化」と表現していますが、起業家養成コースみたいな慶応のSFCでも1.5倍と、まさにそんな感じですね。

 

・・・あれ?2018年度の割合、既に半分ぐらいじゃね?

これ、増えるんよね?ってことは、メインルートはこっちやん。

 

AO・推薦入試をめざす生徒の間で存在感を増しているのが専門の講座を開いている塾や予備校だ。「問い合わせや受講者数は前年比3割増」という大手の早稲田塾では、生徒を中心に担任や講師がチームを組み、興味・関心の深掘りや将来ビジョンの明確化を促し、志望理由書や面接で役立つ表現力も育成するという。各分野で活躍する大学教授ら有識者を招く「未来発見プログラム」には、竹中平蔵・慶大名誉教授との「世界を知るサマースクールin 香港」や、ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院の教授陣によるレクチャーもある。

 

凄いですね、大手さんは。

我々のような個人塾にはまねできることではありません。

記事にあるように、「AO専門塾」というのも増えてきており、”塾”の細分化が進みそうですね。

 

正直にいうと、既存の塾業界にいる人材で「キャリア教育」というのは厳しいと思います。そもそも、塾業界というのは、メイン就労者は「大学生」ですし、一部の「社会人」達も、ゴリゴリにビジネスの最前線で闘ってきた、という人はほぼいないでしょう。(というか、それを卑下する傾向がある気がする・・・)

 

 個人的には「キャリア感の醸成」を応援したい

土俵じゃないと分かりつつ、個人的な気持ちでは「キャリア教育」という面でも、何かできないかと思っています。

それは、公教育ではできないことですし、私教育においても前述の通りですし。

 

先日高3年生の女の子の面談で、親御さんが「職業に繋がらない学部を選択している」なんて発言をされていました。

それはその通りで、親御さん的にも、将来的に「食う」に繋がり易い「学問」を選択してもらうのが安心でしょう。

生徒さんにしても、自分の中に軸があれば、「この学部!」という選び方ができる場合もあるかと思います。

しかし現実に、職業を見据えて、と言われても、ほぼ全ての生徒さんは困ってしまうでしょうね。

 

やはり、「イメージが湧かない」というのが一番大きいと思います。

 

なんだかんだ、生徒の傍にいる人間だからこそ、微力でも出来る限りは、と思ってしまいます。

 

自己分析なんかは学び直しでしょうが、プレゼンなんかは私レベルでもいけますね。

IBMの研修でも高評価もらってますので、たぶん大丈夫かと・・・苦笑)

 

頻繁にできるものではないですが、色々な業界の知人を呼んで、仕事について語ってもらうなども一案です。できるだけ生々しい話がいいですね笑

 

また、salary,fee,capitalなど、働き方と収入の得方が多様化する時代でもあるので、この辺の話も伝えていきたいところです。

(私はけっこー生徒にお金の話もします。大事な事だと思っているので。今日は米株、日本株の超下落について、私の嘆き節がさく裂するでしょう笑)

 

そこにどれだけの効果があるか、という問題はありますが、手をこまねいていても変化がないのも事実。できることから形にして進めていきたいですね。

 

(ってか、まだ開校すらしてないんですけどね笑 あ、電話番号が決まりました!そろそろちらしを撒けます!守山区の皆様、是非見て下さいね!)