塾屋のブログ

名古屋市のとある個別指導塾、の雇われ教室長のブログ。教室の様子、指導内容、勉強法、業界についてなどの雑感を綴っていきます。

【丸付けという行為の阻害要因】心理的ハードルと対応を考える【最後はKEISUKE HONDA笑】

さて、今回は“丸付け”の後編記事になります。

 

前回の記事はこちら。(本記事を読まれる際は、まずこちらをご覧ください。でないと意味不明だと思われます) 

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

 

軽く触れておきますと、“丸付け”って学習の超基本スキルだよ~ってお話しと、なんでそう言えるのか、そして実践できている子はそう多くない、ぐらいがポイントでした。

 

今回は、“丸付け”の阻害要因について書いていきたいと思います。

 

※今回の記事では下記の記事とは逆に、締めの部分にKEISUKE HONDAに登場頂きます。

kobetushidou-obata-naeshiro.hatenablog.com

 

 

 

実は心理的ハードルがけっこー高い

 

 

前回記事に書いたように、“丸付け”は“仕分け”でしたね。

問題を○と×の二つに分ける訳です。

 

こう書くと先が読めると思います。

そう、手応えが宜しくない時、ぶっちゃけ“丸付け”したくないですよね?

 

だって、やっぱり、×が大量につくのって、嫌だと思うんですよ。

大人でもそうだと思います。

 

ひいては、精神的に未成熟な子どもたちは、妙に主観的に捉えてしまい、「あぁ~、こんなに間違えてる・・・。なんかやる気なくすわ~」なんて風になりがちです。

その気持ちは痛いほど分かるんですよね・・・。

 

しかも、学習サイクルがうまく回ってない子の方が、当然×の量は増えるはずです。

だから余計“丸付け”を忌避しがちになってしまうんですね。

 

しかし、前記事でも述べた通り、“×になったところをきるようにすること”=“学習”です。

ですので、丸付けを放置してしまったり、答えを写してしまったりすると、“できないところができないままで”放置されてしまうんですよね。

 

だから、どんどん悪循環に陥っていきます。

 

一方でうまく回ってる子は、手応えがあるので、“丸付け”が苦にならないんですよね。

「いい感じ。これ満点いけるんちゃう?」的な感じでしょうか。

 

で、実際に丸付けをしてみても、それほど×はつかないので、その数問に対してちゃんとフォーカスできるんです。

“できなかったところをできるようにする”作用が働く訳です。

 

「あぁ、一ミスしちゃったよ。これがなければ全部○だったのに・・・。なんでやねん!何をまちがえったっつーねん!?」的な感じで笑

 

“悔しい”は諸刃の剣

 

さて、実は両者に共通しているのは“悔しい”という気持ちです。

 

うまく学習が回っている子が×の問題を前にした時は、言わずもがなですね。

しかし、“丸付け”自体が「嫌だな~」と思う子も、できないことが眼前に出てきたときに存在する気持は“悔しい”という感情のはずです。

 

・・・実はここは“けっこーな量でつく×がつく”という経験を繰り返していると、防衛本能が働いて、“どうでもいいや”ってな風に、投げやりになってしまうんですね。

・・・この状態になると、だいぶこじらせてます。

 

これは、自分の中で“学習に対する価値を下げる”ことで、自身を納得させているのだと考えられます。

しかし、上記のような子でも、一皮剥けば、ちゃんと“悔しい”という気持ちがあるのです

だって、防衛本能で“どうでもいいや”と思う気持ちそのものが、それを立証してますよね?

 

ということで、この“悔しい”という気持ちは、うまくプロセスが回っていればプラス作用をもたらしますし、悪循環に嵌るとマイナス作用となります。

 

じゃーどうすんの?

 

 “丸付け”というのをうまく作用させるには、いくつか考え方があります。

 

「人間は習慣の奴隷である」

 

“朝起きたら顔を洗う”“電気のスイッチは毎回消す”的な笑

一番強引な感じはありますが、ぶっちゃけこれが一番効果がある気がします苦笑

そこを一旦考えて、「う~ん、電気のスイッチ消すの嫌だなぁ~」とかいう子はいませんよね?

 

前回の記事で、“なるべく早く丸付けに取り組んだ方が良い”と言っていたのはこれが理由です。歳を取るほど、習慣化は難しくなります。

皆さまの職場にいる、30代40代の転職者を見て下さい笑

 

“問題解いたのに丸付けしないなんて、もっ、サイテー!!えんがちょ~”的になればしめたものです笑

 

また、もう一つ理由があります。

それは、学年が浅い方が○がいっぱいつくんです。

小学校のテストと中学校のテストの平均点を比べてみると一目瞭然ですね。

 

でも、小学校に“丸付け文化”はないんですよね💦

計算ドリルも漢字ドリルも、先生が丸付けするのが基本ですよね。(最近は“ご家庭でお願いします”ってのもあるようですが。守山小幡校生徒さんの学校がどうなっているか気になります・・・)

 

これね。私的にはもう「ちゃんと丸付けの大事さを訴えて、自分でやらせるように指導して!!」ってめちゃんこ思ってます。

 

高学年になると自分で、という学校もあるようですが、計算ドリルなどだったら2,3年生からでも自分でできると思います。

 

なんか、先生の手間で丸付けのシステムが決まっているような気がしていて、あまり重要視されていないのが気になります。ここめちゃ大事なんだけどな・・・。

(愚痴っぽくなりました。ここで切ります)

 

○が8割つく自信が持てるまで、問題解かない!

 

この手法も有効です。×を見て嫌な気持ちになるなら、しっかり準備ができるまで解かなきゃいいじゃん!ていう発想ですね。

 

喩えるなら、“アリアハンの城の周りだけをひたすら周回して、レベル8になるまでレーベの村に向かわない”という発想です笑

 

この手法はけっこー合理的だったりします。学校ワークなんかでいくと、まず例題や説明ページがありますよね。あれを全てモノにしていれば9割程は解けるはずなんです。残りの1割は記述問題だったり、応用問題だったりします。んでミスや取りこぼし1割で8割です。

 

中途半端な状態で問題に取り掛かると、結果覚えている/覚えていないのレベルの世界で×が増えます。こんなのでやる気を削がれてしまうのはもったいないですよね?

 

また、問題を解く=アウトップというのは、それなりに時間のかかる行為です。本来丸付けした後、×の問題に再アプローチしなくてはいけないのですから、×が多すぎると非常に効率が悪いです。その意味でも、「○が8割つく自信が持てるまで、問題解かない」アウトプット法は、理に適っています。

中学生におすすめしたい手法ですね。

 

目的とする行動に対して、感情作用をコントロールする

 

さて、突拍子もない見出しのようですが、実は話はつながっています。

先ほど挙げた2例は、実はこのスキルに属するものです。

 

感情というもの自体は、コントロールできないんです。

なぜなら、ストレスがかかることに対してネガティブ感情が出てくるようになっていないと、生物としてアウトですもん。当たり前田のクラッカーですよね?

 

しかしですね。

自分の向かいたい方向に対して、感情の作用をうまく設計していく事は可能です。

 

私はこれを「脳に支配されるな!脳を支配しろ!!」と生徒に言っています。

・・・おそらく正確に意味は伝わっていません笑

 

このスキルの熟達者が、あの人ですよね。

 

そうです。KEISUKE HONDAですね。

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この人は、自分の行きたい方向を設定した上で、メディアに発言する言葉をチョイスして、返ってくる反応と自分がそれに対してどういう感情を持つかを予想して、その感情作用を利用しています。

 

習慣化の例は、“丸付け”自体に対する好悪の感情とは別に、もう一軸を設定する訳です。

“丸付け=やらないと気持ち悪いもの”という訳ですね。

 

8割○になるまで問題を解かないという例は、結果をコントロールすることで、“悔しい”という感情作用をプラスに持っていくという発想ですね。

 

結局、こういったことが社会に出る上で重要だと思うんですよね。

 

“勉強”って、何か社会的なスキルと切り離されたところに存在する、みたいな印象があるかもしれませんが、やっぱりちゃんとヒューマンスキルの訓練になっていると思います。ハイ。(テケトーにやるとあかんですけどね)

 

これで、一旦“丸付け”についての記事は終えようかと思います。

 

今回紹介した心理ハードルの上に、まだ一個ハードルがあるんですが、それは機会があればまた記事にします。

 

最後の部分なんかは、新社会人になって、「とりあえずビル崩しして来い」とか「1日100件テレアポね」なんて言われるであろう、フレッシュマンさんなんかにも読んで欲しいかなと、思います。

 

・・・いや~、懐かしいですね笑